金属アレルギーの方でも使用できるセラミック素材とは?注意点も

こんにちは。東京都新宿区「西新宿駅」より徒歩5分にある歯医者「S&Aデンタルクリニック」です。

セラミックの歯の治療をしている様子

アレルギー体質なので金属アレルギーが怖い、口の中の金属素材が原因で皮膚トラブルが起きないか心配、という方は歯科治療に消極的になるかもしれません。歯科用素材に含まれる金属が原因で全身にアレルギー症状が現れるケースもあるので、不安になるのも当然でしょう。

金属とは異なる素材であるセラミックであれば、金属アレルギーの心配はいらないのでしょうか。基本的には、セラミック素材は金属アレルギーの方が安全して使える素材ですが、中には注意が必要なものもあります。

今回は、金属アレルギーを心配せずに使用できるセラミック素材について解説します。金属アレルギーを避けてセラミック治療を受けるための注意点についても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。

金属アレルギーでもセラミック治療は受けられる?

金属アレルギーでもセラミック治療は受けられるのか考えるイメージ

歯科治療では詰め物や被せ物として銀歯が使用されています。従来の銀歯に使われているパラジウム合金は金属アレルギーを引き起こす原因になることが知られています。

一方、セラミック治療では金属を一切使用しないメタルフリー治療が可能です。金属アレルギーのある方でも、素材を選べばセラミック治療を安全に受けることができます。

ただし、後ほど詳しく見ていくように、いくつかの注意点があります。セラミック治療で用いる素材にはいくつかの種類があり、メタルボンドに関しては金属を含んでいるため、それ以外の素材が選択肢になります。

金属アレルギーの症状

金属アレルギーの症状が出ている女性

金属アレルギーの症状を、接触皮膚炎と全身症状に分けて見てみましょう。

接触皮膚炎

接触性の皮膚症状は、金属アレルギーの中で頻繁に見られる症状です。ネックレス、ピアス、時計、ベルトのバックル、眼鏡のフレーム、指輪などの金属製品が直接肌に接触することで、症状が現れます。

例えば、ネックレスを着用した翌日に首回りの皮膚が赤くなったり、時計を長時間着けていた手首の部分だけが赤く腫れ上がったりします。

かゆみも金属アレルギーの代表的な症状です。かゆみは軽度なものから、夜も眠れないほど強烈なものまで幅広く、特に汗をかきやすい夏場や運動後に悪化する傾向があります。

重めの症状としてはみずぶくれがあります。破れると痛みを伴い、感染のリスクも高くなります。小さなブツブツした発疹や、広範囲にわたる湿疹なども現れます。

全身症状

全身症状は、金属製品が直接触れていない部位にも症状が現れます。金属が唾液によって溶解され、口腔粘膜や消化器官を通じて体内に取り込まれることで発生します。

例えば、歯科治療で使用された金属の詰め物や被せ物から溶け出した金属イオンが体内に取り込まれ、全身の皮膚に発疹やかゆみが現れることがあります。症状の現れ方は、軽度な発疹から重篤な皮膚炎までさまざまで、顔面、手足、胴体などどこにでも現れる可能性があります。

代表的な症状には、手のひらや足の裏、背中などの湿疹やかゆみがあります。また、かぶれや紅斑、小さな水疱、膿疱が現れたりします。口の中の症状としては口内炎、舌炎などがあります。

皮膚の症状以外にも頭痛、肩こり、めまい、疲労感、集中力低下、物忘れといった全身の不調につながることもあります。慢性的な体調不良や免疫力低下、アトピー性皮膚炎の悪化、自己免疫疾患の増悪の背景に金属アレルギーが認められるケースもあります。

金属アレルギーとの関連が指摘されているものとしては、次に挙げる口腔扁平苔癬と掌蹠膿疱症がよく知られています。

口腔扁平苔癬

口腔扁平苔癬は、口腔内の粘膜に発生する慢性的な炎症性疾患で、金属アレルギーとの関連性が指摘されています。頬の内側、舌、歯茎などの粘膜に白いレース状の模様や赤い斑点、潰瘍が形成されるのが特徴です。

また、食事中の灼熱感や痛みもあります。辛い食べ物や酸味の強い食品を摂取した際に、口の中がヒリヒリと痛むような感覚が現れます。歯磨きの際、歯ブラシが患部に触れると強い痛みを感じることもあります。

掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に繰り返し水ぶくれや膿疱が形成される皮膚疾患です。膿疱という名前から感染症と誤解されやすいですが、他人への感染が起きないのが特徴です。

症状は手のひらや足の裏に小さな水ぶくれが現れることから始まります。これらの水ぶくれは膿疱に変化し、最終的には乾燥してかさぶたとなって剥がれ落ちます。

しかし、新しい病変が現れ、手足に常に何らかの症状が出ている状態が続きます。膿疱が破れた後の潰瘍は激しい痛みを伴い、正常な歩行が困難になることもあります。

金属アレルギーの方でも使用できるセラミック素材

金属アレルギーの方でも使用できるセラミック素材のイメージ

メタルボンドは金属を含んでいるので避ける必要があるでしょう。それ以外のセラミック素材であれば問題なく使用できます。

メタルボンドはセラミック素材に分類されるため、金属アレルギーでも問題なく使用できそうに感じられるかもしれませんが、金属を含んでいます。表面にセラミックを焼き付けているものの、内部には金属のフレームが組み込まれているのです。

メタルボンド以外のセラミックの素材には、ジルコニア、オールセラミック、ハイブリッドセラミックなどがあります。いずれも金属アレルギーの心配はありません。

ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど硬く、耐久性に優れた素材です。奥歯のように強い力が加わる部位でも、十分な強度を発揮し、破損のリスクを抑えることができます。また、見た目も白く、自然な色合いを持っているため、審美性の面でも優れています。

オールセラミックは透明感のあるセラミック素材で、特に前歯など見た目が重視される部位によく使用されます。天然歯に近い美しい質感を再現することができます。

ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを組み合わせた素材です。セラミック素材の中では安価なので、コストを抑えて治療を受けられます。

金属アレルギーの方がセラミック治療を受ける際の注意点

セラミック治療を受ける際に金属アレルギーのパッチテストを受ける患者

次に挙げるポイントに注意することで、金属アレルギーのある方でも安心してセラミック治療を受けられるでしょう。

金属アレルギーがあることを伝える

自分が金属アレルギーであることを歯科医師に伝えましょう。過去に歯科治療や金属製アクセサリーでかゆみや湿疹が出た経験がある場合、その情報を伝えることで歯科医師がアレルギーに配慮して治療を進めてくれます。

パッチテストを受ける

金属アレルギーが疑われる場合や、過去にアレルギー症状が出たことがある場合は、治療前にパッチテストなどのアレルギー検査を受けておくと安心です。パッチテストでは、実際にどの金属に反応するかを調べ、歯科治療で避けるべき金属を特定することができます。

素材に金属が含まれていないか確認する

セラミック治療で用いるすべての素材が金属を含まないわけではありません。例えば、先にもふれたメタルボンドは内側に金属が使われているため、金属アレルギーの方には適していません。

また、セラミック自体は金属を含んでいない場合でも、歯科治療に用いられるさまざまな素材や仮歯の材料などに微量の金属成分が含まれている可能性があります。心配な方は、治療に使う材料に問題がないかどうか歯科医師に確認しておきましょう。

違和感があればすぐに歯科医師に相談する

治療中や治療後に口の中や体にかゆみ、腫れ、発疹などの異常が現れた場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。治療から数日経った後でも、口の中の粘膜が赤くなったり、舌や歯ぐきに違和感を感じたりしたときは、早めに歯科医院を受診することで悪化を防げます。

まとめ

セラミックの歯で口元が美しくなった笑顔の女性

金属アレルギーはネックレスや指輪、腕時計の金属部分が頻繁に肌に接することで引き起こされます。それ以外にも、歯科治療で用いる素材に金属が含まれており、それが体内に取り込まれることで金属アレルギーを発症することもあります。

金属アレルギーの中でも接触皮膚炎に分類されるものは、金属と接している箇所に症状が現れます。全身性症状は金属と接触していない部位にも症状が現れるのが特徴です。

金属アレルギーのある方、または金属アレルギーが心配な方はそのことを歯科医師に伝え、メタルフリーの治療を受けましょう。

セラミック治療を検討されている方は、東京都新宿区「西新宿駅」より徒歩5分にある歯医者「S&Aデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、インプラントやセラミック治療、矯正治療などの自由診療をはじめ、虫歯・歯周病治療などさまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちらお問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

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