この論文は歯科における定期検診(メインテナンス)の重要性を科学的に示しています。
Journal of Clinical Periodontology.2004 Sep;31(9):749ー57.
“The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality,caries and periodontaldisease in adults. Results aLer 30 years of maintenance.”
Axelsson P1,Nyström B,Lindhe J.
歯科における定期検診(メインテナンス)の目的
口腔内の疾病を起こさずに、健康な状態を維持すること
歯科医院での定期検診でお口の健康を維持することが可能な理由
身の回りには目に見えない多くの微生物が存在していますが、これらの微生物が体内で増殖をして疾病を引き起こす現象を「感染症」といいます。
お口の中にも非常に多くの微生物が生活しており、細菌が病気を起こそうとする力(病原性)がその人の抵抗力よりも強くなった場合に感染が成立するのです。口腔内の細菌は病原性を発揮するために歯の周囲に増殖します。そうして、増殖した菌が歯の内部に侵入したものが「虫歯」、歯の周囲にある骨に侵入したものが「歯周病」です。
ですから、病原性を細菌が発揮する前に細菌のかたまりを壊してしまえば虫歯や歯周病が発症する可能性がとても低くなるのです。どんなに歯磨きを上手に行っても虫歯や歯周病の菌を自分自身で完全に除去することはできません。これが歯科の定期検診でクリーニングをする理由です。歯科は悪くならないために治療ができる唯一の医療です。
細菌感染を予防するには細菌だけ考えるのではなくその人の抵抗力とのバランスを理解することが重要です。単純なクリーニングだけではその人の抵抗力はわかりませんので、全体的な診査を行って個々に合った予防プログラムを見つけたうえで、定期的なクリーニングを継続することが大切です。
歯科における定期検診(メインテナンス)で行うこと
定期検診(メインテナンス)でかかる時間
(個人のリスクやその時の状態に応じて変わります)
定期検診(メインテナンス)の頻度
歯の周囲に細菌(汚れ)が付着してから、病原性を発揮して虫歯や歯周病を発症させるまでには一定の時間がかかります。具体的には概ね90日経つと歯の周囲の細菌は病原性を持つまでに成熟すると言われています。
ですから、病原性を細菌が発揮する前に細菌のかたまりを壊してしまえば虫歯や歯周病が発症する可能性がとても低くなるので、当院では基本的に3ヶ月に1度の通院頻度をご案内しております。遠方からお越しの方やお仕事がお忙しい方等、個人のご事情にも配慮致しますので、ご相談ください。
むし歯や歯周病のような細菌感染を予防するには細菌だけ考えるのではなくその人の抵抗力とのバランスを理解することが重要です。単純なクリーニングの継続だけではその人の抵抗力を考慮しておりませんので、全体的な診査を行って個々に合った予防プログラムを見つける、つまり個々のリスクを評価した上での定期的なクリーニングを継続することが大切です。