むし歯治療について1

むし歯とは、口の中に存在する細菌が、飲食により摂取された糖分を餌に作り出す酸によって歯が溶けてしまった状態をいいます。むし歯菌はほとんどの人の口腔内に存在していますが、口の中で増やさないようにすることや酸を作りにくいような生活習慣をすることで、予防が可能な病気です。

従って、広い意味で考えれば1番大切なむし歯治療は、自分に合ったむし歯を作らない方法を把握して実践すること、と言えるでしょう。言い方をかえると、むし歯を作る自らの性質や行動(リスク)を把握することはむし歯治療にとても大切なことだということです。

むし歯の原因(リスク)は3つに整理できます。
・ 細菌(むし歯菌の量)
・ 摂取する糖分(内容、頻度など)
・ 歯や唾液など自身の状態(宿主の要因)
です。この3つの要因が重なった状態が放置されると歯が溶けてむし歯が発生します。これらのリスクを把握せずにむし歯で溶けた歯を削って詰めて対処するという行為は、根本的なむし歯治療とは言えないと当院では考えています。
なぜなら、リスクを把握して改善しないと再びむし歯が生じてしまうからです。

 歯はむし歯治療を重ねるうちに傷ついていきます。一旦失われた組織は人工物に置き換わるだけで再生することはできません。さらに、人工物は残存している歯で支えられているだけなので、支えている歯には負担がかかっています。負担がかかる歯はさらにむし歯になりやすくなります。一般的に、むし歯治療を数回繰り返すと抜歯に至る可能性が著しく大きくなってしまいます。

長期的な歯の健康維持のために、このような治療の繰り返しという負のサイクルに陥らないよう患者さんと協力していくことは大切な歯科医院の務めだと当院は考えております。

リスクの診査は約1時間のご予約が必要ですが、状況にもよりますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。