ここでは主に以下の3つについてまとめております。
1. 虫歯とは
原因:虫歯菌に歯が感染してしまう。
現象:虫歯菌の出す酸で歯が溶けてしまう。
対処の原則:
虫歯菌に感染した歯の組織を全て取り除く。(歯の内部に虫歯菌を残さない)
失われた組織を歯科用人工材料で補う。
再び虫歯に感染しないように管理する。(メインテナンス)
一般的な症状の変化
(ほとんどが比較的簡単な修復で対応可能)
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温かい物もしみる、しみる状態が数秒間持続する、食事中に痛む
(歯の神経が傷んでいる状態)
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痛くて咬めない、痛くて眠れない、痛み止めが効かない位痛い
(歯の神経を取る目安)
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歯ぐきが腫れる、歯の周囲から膿が出る
(抜歯の可能性が高まっている状態)
虫歯治療の種類
CR(コンポジットレジン)修復
むし歯の広がりが小さい時に用います。
虫歯のため除去した歯の部分にCRを詰めます。
色は歯と出来るだけあわせたものが入ります。
通常1~2回程度で終わります。
健康保険の適応です。
歯の神経を取る(抜髄)
通常は
前歯:2~3回程度
奥歯:3~5回程度
の治療回数が必要です。
◆レントゲン上の黒い部分が虫歯です。
◆実際の歯も虫歯で大きく溶けていました。
◆そのため、虫歯の菌に神経組織が汚染されています。
◆適切な消毒をして歯の内部を清潔な状態に改善します。
◆清潔になったら空洞になった部分を密封する薬剤を充填します。
抜歯
◆歯の内部深いところまで虫歯菌の繁殖があるため、抜歯を行いました。
3. 虫歯予防
虫歯予防で考えることは
◆ 虫歯菌のはたらきを抑えること
◆虫歯菌に対する抵抗力を上げること
の2つです。
そのために3つの具体的な項目を当院では設けています。
1. フッ素を利用しましょう
2. 間食の頻度に気をつけましょう
3. 定期検診を継続しましょう
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1. フッ素を利用しましょう
フッ素は自然の色々な所に存在する元素です。特にエビなどの魚介類やお茶の葉などに多く含まれ、日常の食事で自然に摂取することもあります。
適切な用法・用量で虫歯予防に極めて優れた効果を発揮します。
当院では個々の状況(年齢やリスク)にあったフッ素の使用を処方させて頂いております。
2. 間食の頻度に気をつけましょう
虫歯の菌は口腔内に入った糖質を栄養源にしています。歯についた歯垢が虫歯菌の出す酸で酸性になり歯の表面が溶けだす「脱灰(だっかい)」という現象が起きます。
その後、唾液の作用で酸が流されたり中和されたりして再び歯垢が中性に近い状態に戻ります。そうすると脱灰により歯の表面から溶け出したカルシウムやリンなどのミネラルが再び歯に取り込まれて沈着します。これを「再石灰化」と言います。
歯はこのように「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されているのですが、間食の頻度が多いと歯が脱灰に傾いてしまうため虫歯になりやすくなります。
間食の例:
砂糖入りのコーヒーや紅茶、チョコレート、飴、ジュース、スポーツドリンク、おにぎり、など